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COLUMN
2025.05.25
コラム

薬に頼らない自己免疫疾患治療|再生医療がもたらす新時代の可能性

自己免疫疾患とは?

自己免疫疾患が引き起こされる仕組みとは?

自己免疫疾患とは、本来、細菌やウイルスなど外部から侵入した病原体から体を守るために存在している「免疫システム」が、誤って自分自身の正常な細胞や組織を攻撃してしまう疾患のことを指します。

本来、免疫システムは「自己」と「非自己」を厳密に区別し、自己に対しては攻撃を行いません。しかし、何らかの原因でこのバランスが崩れ、自分の細胞を「異物」と認識してしまうことがあります。これにより、免疫細胞が自分自身の健康な組織を攻撃してしまうことで炎症が引き起こされ、組織が損傷を受け、慢性的な病気の症状として現れます。

自己免疫疾患がなぜ起きるのか、まだ明確には解明されていませんが、遺伝的要因、環境要因(感染症や生活習慣、ストレス)、ホルモンバランスの変化などが関係していると考えられています。これら複数の要因が絡み合うことで、免疫システムに誤作動が生じ、自己免疫疾患が発症すると推測されています。

さらに、一度自己免疫疾患が発症すると、自己組織への攻撃が慢性的に続くことが多く、長期間にわたり症状のコントロールが難しいことが課題となっています。そのため、自己免疫疾患の治療においては、免疫のバランスを根本的に整えるアプローチが必要となってきます。

代表的な自己免疫疾患の症状とその特徴

自己免疫疾患には多くの種類があり、それぞれが特有の症状を示します。以下に代表的な自己免疫疾患とその主な症状を示します。

関節リウマチ
 ・手や足の関節の腫れや痛み、関節の変形、朝のこわばり感など。
全身性エリテマトーデス(SLE)
 ・発熱、関節痛、皮膚の赤い発疹(蝶形紅斑)、腎臓障害、倦怠感など。
橋本病(慢性甲状腺炎)
 ・甲状腺機能の低下による倦怠感、体重増加、冷え性、肌の乾燥、脱毛など。
シェーグレン症候群
 ・目や口の乾燥(ドライアイ・ドライマウス)、唾液や涙の分泌低下、疲労感、関節痛など。
多発性硬化症(MS)
 ・視力障害、感覚異常、筋力低下、歩行困難、めまい、倦怠感など神経症状が中心。
クローン病
 ・慢性的な下痢、腹痛、体重減少、貧血など消化管を中心とした症状が特徴。
潰瘍性大腸炎
 ・血便、下痢、腹痛、体重減少、全身の倦怠感がみられ、大腸の慢性的な炎症が起きる。

これら自己免疫疾患は、症状が慢性的かつ進行性であることが多く、生活の質(QOL)を著しく低下させる要因となります。また、同じ疾患でも症状の出方や重症度には個人差があるため、患者一人ひとりに合わせた適切な治療やケアが重要になってきます。

自己免疫疾患治療の限界と再生医療の登場

従来の治療法ではなぜ完治が難しいのか?

自己免疫疾患の従来の治療法は、主に症状の緩和や病気の進行を抑制することに焦点が置かれてきました。具体的には、炎症を抑える抗炎症薬やステロイド剤、免疫を抑制する免疫抑制剤、生物学的製剤などが使用されています。これらの薬剤は、病気の急激な悪化を防ぐ効果が期待できますが、病気そのものの原因を完全に取り除くことは難しいのが現状です。

自己免疫疾患は、免疫システムそのものが誤った指令を出し続ける慢性的な病態です。そのため、薬剤によって一時的に症状を抑えることはできても、根本にある免疫の異常そのものを正常化することは困難です。また、長期間にわたって強力な薬を使用し続けることで、副作用や合併症などの問題も生じることがあります。

こうした理由から、従来の治療法では、病気の完全な治癒ではなく、あくまで症状の緩和や悪化の抑制を目的とした管理型の治療にとどまっているのが現実です。

再生医療が自己免疫疾患の治療を変える理由

再生医療が自己免疫疾患の治療において画期的な可能性を秘めている理由として、以下のようなポイントが挙げられます。

根本的な免疫バランスの調整
 ・再生医療に使われる幹細胞には免疫調整作用があり、免疫細胞の暴走を抑制し、免疫バランスの正常化が期待できる。
炎症抑制効果
 ・幹細胞が炎症を抑える物質を分泌するため、自己免疫疾患に伴う慢性炎症を根本から軽減する可能性がある。
組織修復と再生能力
 ・損傷を受けた組織の修復や再生を促すことで、病気に伴う臓器や組織のダメージを改善できる可能性がある。
副作用や薬剤負担の軽減
 ・薬剤使用量を減らせる可能性があるため、長期間の薬剤投与に伴う副作用や合併症のリスクを低下させることが期待できる。
長期的な安定性の確保
 ・一時的な症状緩和ではなく、細胞レベルでの免疫系の改善を行うため、長期的な病状安定が望める。

これらの理由から、再生医療は自己免疫疾患の治療概念を根本から変える可能性を秘めています。

再生医療が免疫の根本改善に働きかける仕組み

再生医療における治療の鍵は、「幹細胞」の持つ特殊な性質にあります。幹細胞は体内のあらゆる細胞に分化する能力を持ち、損傷した組織を修復する働きを持つとともに、免疫システムを調整する能力を持っています。

自己免疫疾患に対する再生医療では、患者自身の体から採取した幹細胞を特殊な方法で培養し、患者の体内に再び投与します。投与された幹細胞は、免疫細胞の活動を調整する物質を分泌し、自己免疫反応を引き起こしている異常な免疫応答を鎮静化する働きを発揮すると考えられています。

さらに幹細胞は、炎症を抑制するサイトカインや成長因子を放出するため、慢性的に続く炎症や組織損傷の改善にもつながります。こうした免疫調整作用により、自己免疫疾患の根本原因である免疫の誤認識を改善し、体内での免疫バランスを正常に戻すことが期待できるのです。

その結果、一時的な症状緩和にとどまらず、疾患の進行そのものを抑制し、長期的な治療効果をもたらす可能性があります。これが再生医療が従来の治療法とは異なる、自己免疫疾患治療の新しい方向性として注目されている理由です。

再生医療が自己免疫疾患にもたらすメリットとは?

薬の副作用や長期投与リスクの軽減

自己免疫疾患の従来の治療法では、ステロイド剤や免疫抑制剤などの薬剤が広く使用されています。これらの薬剤は症状をコントロールするうえで一定の効果が期待できますが、一方で長期間の使用に伴うさまざまな副作用やリスクもあります。具体的には、骨粗しょう症、糖尿病、感染症への抵抗力の低下、肝機能障害、胃腸障害など、患者さんの生活の質(QOL)を低下させるような問題が生じる可能性があります。

再生医療は、自己免疫疾患の治療においてこれらの薬剤の使用量を大幅に減らせる可能性があります。幹細胞の免疫調整機能を利用することで、免疫システムの異常を根本的に整えることが期待できるため、従来の薬剤に依存する必要性が低下します。その結果、薬剤投与による副作用や合併症のリスクが軽減され、患者さんはより健康的で安心できる生活を送ることが可能になると考えられています。

免疫バランスを根本的に整える治療の特徴

再生医療が自己免疫疾患にもたらす最大の特徴は、免疫バランスそのものを整えるという根本的なアプローチにあります。具体的な特徴は以下の通りです。

免疫調整作用
 ・幹細胞は免疫細胞の活動を調整する因子を分泌し、免疫系の異常な反応を抑えることが期待できる。
慢性炎症の軽減
 ・炎症を抑制する因子の放出により、自己免疫疾患特有の慢性炎症を緩和する効果が期待できる。
自己組織の損傷を予防・修復
 ・組織修復を促進することで、病気によって受けた組織損傷の回復を促すことが可能となる。
免疫システムの再教育
 ・誤った免疫反応を修正することで、免疫系を再教育し、再発のリスクを低下させることが期待される。
自己細胞を使用した安全性
 ・自己由来の細胞を用いるため、副作用や拒絶反応のリスクが極めて低く、安全性が高い。

これらの特徴により、再生医療は自己免疫疾患治療において画期的な進展をもたらす可能性があります。

再生医療による日常生活やQOLへの好影響

自己免疫疾患は慢性的かつ進行性であり、患者さんの日常生活に大きな負担をかけています。関節の痛みや倦怠感、消化器症状、皮膚症状など、病気による身体的な不調はもちろん、治療に伴う薬剤の副作用や頻繁な通院の負担など、精神的なストレスも患者さんにとって深刻な問題です。

再生医療がもたらす根本的な免疫の調整は、これらの問題を大きく改善する可能性があります。慢性的な症状が軽減されることで日常生活の活動性が高まり、趣味や仕事、人間関係など生活全般が豊かになることが期待されます。また、薬剤の使用量が減ることにより副作用や通院頻度が低下し、患者さんの心理的な負担やストレスも軽減するでしょう。

再生医療は病気そのものの進行を抑制するだけでなく、日々の生活の質(QOL)を向上させ、患者さんがより快適で健康的な生活を取り戻すための大きな助けとなる可能性があります。

自己免疫疾患治療における再生医療の具体的プロセス

治療開始から改善までのステップを詳しく紹介

自己免疫疾患に対する再生医療は、従来の治療とは全く異なるアプローチをとります。具体的にどのようなプロセスで治療が進むのかを詳しく解説します。

まず最初のステップは、専門のクリニックでの診察および詳細なカウンセリングです。ここで患者さんの病歴や現在の症状、免疫系の状態などを精査し、再生医療が適しているかどうかを慎重に評価します。

再生医療が適していると判断された場合、患者さん自身の幹細胞を採取します。幹細胞は一般的に脂肪組織や骨髄などから採取され、局所麻酔下で行われるため痛みや負担は比較的少ないとされています。

採取した幹細胞は安全かつ厳密な品質管理のもとで培養され、治療に必要な量になるまで数週間かかります。培養が完了すると、幹細胞は点滴などの方法で患者さんの体内に再投与されます。投与は短時間(通常1〜2時間程度)で完了し、通常は日帰りで行うことができます。

投与後は、経過観察のための定期的な診察や検査が行われます。幹細胞による免疫調整効果や炎症抑制効果はすぐには現れないこともあり、数週間から数ヶ月をかけてゆっくりと症状の改善が現れることが期待されます。この期間中は、患者さんご自身でも生活習慣を整えるなど、治療効果を高める取り組みが推奨されます。

治療費用や保険適用などの気になるポイント

自己免疫疾患の再生医療を検討する際に、多くの方が気になるのが費用や保険適用についてでしょう。以下にそのポイントを整理してお伝えします。

治療費用の目安
 ・現状では自由診療が一般的で、保険適用外のため、費用は数十万円から数百万円程度と幅がある。
保険適用の状況
 ・再生医療の多くは保険適用外だが、将来的な治療実績や臨床研究の成果によって保険適用が拡大する可能性がある。
治療期間の目安
 ・細胞採取から培養、投与までの期間は通常1〜2ヶ月、投与後の経過観察を含めるとトータルで数ヶ月かかることが一般的。
クリニック選びの際の確認点
 ・治療費の内訳や支払い方法、追加費用の有無などを事前に詳しく確認しておくことが重要。

これらを事前に把握し、自分の状況に合わせて治療を進めることが大切です。

再生医療の安全性とリスク管理について知っておくべきこと

再生医療を受けるにあたって、患者さんが不安に感じることの一つに、安全性やリスクに関することがあるかもしれません。再生医療は自己の幹細胞を用いるため、他人由来の細胞を使う場合と比較して拒絶反応や重篤な副作用のリスクは極めて低いとされています。

細胞採取は局所麻酔を用いて行われるため、患者さんへの身体的負担は最小限です。また、幹細胞の培養は厚生労働省の基準を満たした厳格な管理体制のもとで行われるため、感染症や細胞異常などのリスクも低く抑えられています。

投与後に軽度な副作用(倦怠感、一時的な発熱や投与部位の痛みなど)がみられる場合がありますが、通常は数日以内に自然に軽減します。また、治療施設では緊急時に備えた万全な対応体制が整えられているため、万が一のトラブルが生じた場合でも迅速に対応が可能です。

患者さんが安全に再生医療を受けられるように、事前に十分な説明やカウンセリングを行うクリニックを選ぶことが重要です。患者さん自身が納得したうえで治療を受けることが、安心して治療を進めるために欠かせません。

再生医療による治療を受ける前の重要ポイント

再生医療が適する患者さんの条件や疾患の状態

再生医療は自己免疫疾患に対する新しい選択肢として大きな注目を集めていますが、全ての患者さんに必ずしも適するわけではありません。治療効果を最大限に引き出すためには、どのような患者さんが再生医療に適しているのかを知っておく必要があります。

再生医療が特に効果を期待できるのは、比較的疾患の進行が早期から中等度の患者さんです。症状が重症化し、臓器や組織が深刻に損傷を受けている場合、細胞による再生や修復効果が限定的になる可能性があります。そのため、病気の初期段階や進行が中程度のうちに治療を開始することで、免疫バランスの根本的な改善や炎症の抑制効果を最大限に活かすことが期待できます。

また、自己の細胞を採取して培養し再投与する過程があるため、一定の体力や健康状態が必要となります。治療前に専門医との詳細な診察やカウンセリングを通じて、自分自身が再生医療に適した健康状態にあるかどうかを慎重に確認することが非常に重要です。

治療の効果を最大限にするための生活習慣の整え方

再生医療の効果を最大限に引き出すためには、日常生活の改善や健康管理も不可欠です。以下に特に重要な生活習慣のポイントをまとめました。

バランスの良い食生活
 ・抗炎症作用を持つ野菜や果物を積極的に摂取し、糖質や加工食品を控える。
適度な運動習慣
 ・ウォーキングやヨガ、ストレッチなどの軽い運動を日常的に行い、免疫バランスを整える。
十分な休息と睡眠
 ・睡眠不足は免疫機能を低下させるため、毎日7〜8時間の質の良い睡眠を確保する。
ストレス管理
 ・ストレスは自己免疫疾患の悪化につながるため、趣味やリラクゼーション方法を取り入れて心身を整える。
定期的な健康診断とフォローアップ
 ・治療後も定期的に診察を受け、病状の変化や治療効果を確認し、生活習慣改善の継続を行う。

これらを意識して生活習慣を整えることで、再生医療による治療効果をさらに高め、長期的な安定や健康維持が期待できます。

クリニックを選ぶ際に必ず確認すべきこと

再生医療を受ける際には、治療を行うクリニック選びが非常に重要になります。治療の成功と安全性の確保のために、以下のポイントを必ず確認するようにしましょう。

まず、再生医療の専門的な実績や経験を確認することが大切です。特に自己免疫疾患に関する細胞治療の症例数や治療成果を公表しているクリニックを選ぶことが安心です。

次に、細胞採取や培養を行う施設が厚生労働省の認可を受け、安全性や衛生面の管理が徹底されているかも必ず確認してください。細胞の品質管理が十分に行われているクリニックは、治療の安全性が高いと考えられます。

また、治療にかかる費用や支払い方法、費用負担を軽減する制度が整っているかも重要なポイントです。費用が高額になる可能性があるため、事前に明確な費用提示と支払い方法について納得のいく説明があるクリニックを選びましょう。

さらに、カウンセリングや治療後のフォローアップ体制が充実していることも重要です。患者さんの疑問や不安に対して丁寧に対応し、治療後の経過もしっかりとフォローしてくれるクリニックなら安心して治療を受けることができます。

これらのポイントを慎重に確認し、自分自身が納得したクリニックで再生医療を受けることが、治療の成功と安心につながります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 自己免疫疾患は完治しますか?
従来の治療では完治が難しく、症状を抑えることが中心でした。しかし再生医療では、免疫の異常を根本的に整えることが期待され、長期的な安定や症状改善が可能になる場合があります。

Q2. 自己免疫疾患にはどのような初期症状がありますか?
疾患によりますが、疲労感、微熱、関節痛、肌荒れ、消化不良などの漠然とした症状から始まることが多く、診断まで時間がかかることがあります。気になる症状が続く場合は早めの受診をおすすめします。

Q3. 再生医療を受けるとすぐに症状が改善しますか?
再生医療の効果は徐々に現れることが多く、数週間から数ヶ月かけて免疫のバランスが整い、症状の改善が感じられるようになります。即効性ではなく長期的な改善を目指す治療です。

Q4. ステロイド剤や免疫抑制剤の服用を完全にやめることは可能ですか?
再生医療により免疫バランスが整うと、薬剤の使用量を減らしたり、場合によっては完全にやめられる可能性もあります。ただし病状や経過には個人差があり、医師と相談しながら慎重に進める必要があります。

Q5. 自己免疫疾患の治療に年齢制限はありますか?
特に厳格な年齢制限はありませんが、自己免疫疾患の進行が比較的初期~中期である方が、再生医療の効果を最大限に引き出しやすい傾向があります。年齢よりも病状や身体の状態が重要です。

Q6. 再生医療の幹細胞採取は痛いですか?
幹細胞採取は通常局所麻酔を使用し、短時間で終わります。痛みや負担は比較的軽度で、採取後に軽度の腫れや違和感が出ることもありますが、数日以内に自然に改善します。

Q7. 再生医療に副作用やリスクはありますか?
患者さん自身の細胞を使うため、重篤な拒絶反応や副作用のリスクは極めて低いとされています。稀に投与直後に軽い倦怠感や微熱などがありますが、数日以内に改善することがほとんどです。

Q8. 再生医療の効果はどのくらい持続しますか?
治療効果は個人差がありますが、多くの場合、長期的に安定します。ただし生活習慣や環境、ストレスなどの影響を受けることもあり、定期的なフォローアップと健康管理が大切です。

Q9. 再生医療で他の臓器や疾患にも良い影響はありますか?
幹細胞が分泌する成長因子や抗炎症物質により、全身の免疫バランスや炎症が改善されるため、自己免疫疾患以外の症状(疲労感、慢性的な不調、肌荒れなど)が改善する可能性もあります。

Q10. 治療費用が高額ですが、支払いの支援はありますか?
多くのクリニックでは分割払いや医療ローンの利用が可能で、費用負担を軽減する仕組みが用意されています。治療前にクリニックとよく相談し、納得して治療を受けることをおすすめします。

自己免疫疾患の未来を変える再生医療への期待

免疫異常に悩む方に知ってほしい新しい可能性

自己免疫疾患を患っている方は、長い間症状の管理や生活の制限に苦しんできたかもしれません。従来の薬物治療だけでは症状の進行を完全に止めることは難しく、副作用などの負担も大きいため、将来への不安や絶望感を感じている方も少なくないでしょう。

しかし、医療の進歩に伴い、再生医療という新たな治療の可能性が開けています。再生医療は、細胞の持つ自然な免疫調整作用を利用して、免疫系の異常そのものを根本的に改善することが期待されています。これにより、病気の進行を遅らせたり、症状を大幅に緩和したり、場合によっては薬剤使用を減らすことが可能になるかもしれません。

免疫異常による病気と向き合う方々にとって、再生医療は新たな希望の光です。これまでとは異なるアプローチによって、より良い生活と将来を手に入れるための治療が現実的な選択肢となりつつあります。

再生医療が実現する「根本から治す」という新しい概念

再生医療が自己免疫疾患の治療において画期的である理由の一つに、「根本からの治療」を可能にするという新しい概念があります。その特徴を具体的に整理します。

免疫システムの根本的調整
 ・免疫細胞の暴走を抑制し、正常な免疫機能を取り戻すことが期待できる。
症状緩和から原因改善へ
 ・表面的な症状を抑えるだけでなく、疾患を引き起こす根本原因(免疫の異常)に働きかける。
薬剤負担の軽減
 ・薬物治療への依存を減らし、副作用や合併症のリスクを抑えることが期待できる。
細胞レベルでの組織修復
 ・幹細胞が損傷した組織を修復し、病気による身体的ダメージの改善が期待される。
治療後の長期安定
 ・細胞を使った根本的な免疫改善により、症状が安定しやすく、長期間の健康維持につながる可能性がある。

再生医療の持つこれらの特長は、自己免疫疾患の治療の常識を変え、「治療=一時的な症状管理」という考え方から「根本から治す」という新しい治療概念を提示しています。

治療への第一歩を踏み出すためのメッセージ

自己免疫疾患に悩む方々にとって、新しい治療法に踏み出すことは勇気が必要かもしれません。再生医療は比較的新しい分野であり、不安や疑問があることも当然です。しかし、治療の可能性を追求し、新たな一歩を踏み出すことは、あなたの人生や健康に大きな違いを生む可能性があります。

再生医療はあなたがこれまで経験してきた痛みや辛さ、治療への不安を根本的に改善するチャンスとなり得ます。症状が軽減され、薬剤の負担が減ることで、仕事や趣味、家族との時間など、人生の喜びを再び取り戻すことができるかもしれません。

治療を検討する際に重要なのは、正しい情報を得て納得して治療を受けることです。まずは専門医とよく相談し、自分に最適な治療法であるかどうかをしっかりと確認してください。再生医療という新しい可能性を知り、自分自身が納得して治療に進むことが大切です。

私たちは、あなたが治療への第一歩を安心して踏み出し、健康で希望に満ちた日々を取り戻せるよう、全力でサポートいたします。自己免疫疾患と向き合う全ての方々に、再生医療という新たな可能性が届くことを願っています。

                           

執筆者

若林雄一

若林 雄一

セルグランクリニック 院長

医学博士
アメリカ再生医療学会専門医
放射線診断専門医
核医学専門医

【略歴】                                        
アメリカ再生医療学会認定専門医資格を有し、神戸大学病院やアメリカ国立衛生研究所(NIH)で培った経験を基に、患者様一人ひとりのニーズに応じたオーダーメイド医療を提供しています。

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