TEL.06-6212-5960

対応時間:10:00-19:00

MAIL: info@cellgrandclinic.com

MENU
MENU
MENU
COLUMN
2026.02.20
コラム

幹細胞治療の効果はいつから?期間と持続性を専門医が徹底解説

幹細胞治療の効果が現れるタイミング

幹細胞治療を検討されている方にとって、「いつから効果が出るのか」は最も気になる点ではないでしょうか。

実際のところ、効果が現れるタイミングは症状の原因や治療部位によって大きく異なります。炎症が主な原因の場合は比較的早く、組織の修復が必要な場合は時間をかけてゆっくりと効果が現れる傾向があります。

幹細胞は「抗炎症細胞」とも呼ばれ、体内で炎症を抑える強力な機能を持っています。関節炎や慢性疼痛など、炎症が痛みの主な原因となっている場合、幹細胞が炎症部位に到達して働き始めると、比較的早い段階で症状の軽減を実感できることがあります。

一方で、軟骨の損傷や組織の変形が痛みの根本原因である場合は、幹細胞が組織を修復し、新しい細胞を生成するプロセスに時間がかかります。人体の代謝サイクルは基本的に3ヶ月単位で進むため、組織の再生には最低でも3ヶ月から半年、場合によっては1年程度の期間を要することもあります。

炎症性の痛みへの効果・・・早ければ1ヶ月で実感

炎症が主な原因となっている症状に対しては、幹細胞治療の効果が比較的早く現れます。

炎症を抑えるメカニズム

幹細胞は体内に投与されると、炎症が起きている部位を感知して集まる性質を持っています。この現象は「ホーミング効果」と呼ばれ、幹細胞治療の重要なメカニズムの一つです。

炎症部位に到達した幹細胞は、抗炎症性のサイトカインや成長因子を分泌します。これらの物質が炎症反応を鎮め、痛みを引き起こす物質の産生を抑制することで、症状の改善につながります。

例えば、変形性膝関節症で関節内に炎症が起きている場合、幹細胞が関節内の炎症を抑えることで、早い方では投与後1ヶ月ほどで痛みの軽減を実感されることがあります。

早期効果が期待できる症状

以下のような炎症性の症状では、比較的早い段階での効果が期待できます。

  • 関節炎による痛み・・・関節内の炎症が主な原因の場合
  • 慢性疼痛・・・神経周囲の炎症が関与している場合
  • 自己免疫疾患の症状・・・免疫の過剰反応による炎症の場合
  • 糖尿病の初期症状・・・膵臓の炎症が血糖コントロールに影響している場合

ただし、これらの早期効果は「炎症を抑えている」状態であり、組織そのものが完全に修復されたわけではありません。根本的な治癒には、さらに時間をかけた組織の再生プロセスが必要です。

組織修復による効果・・・3ヶ月から半年が目安

組織の損傷や変形が症状の原因となっている場合、効果の発現には時間がかかります。

人体の代謝サイクルと再生プロセス

人間の体は約3ヶ月のサイクルで細胞の代謝を行っています。軽い擦り傷でも、顕微鏡レベルで完全に元通りに戻るまでには約3ヶ月を要します。

幹細胞治療で投与された細胞が組織を作り、定着するには、この代謝サイクルに従って少なくとも3ヶ月はかかります。実際には、3ヶ月から半年かけて徐々に症状が改善する方や、半年を過ぎて1年のところで大きな変化を感じる方もいらっしゃいます。

組織再生が必要な症状と効果発現時期

変形性膝関節症では、軟骨の損傷や半月板の変性が痛みの根本原因です。幹細胞が軟骨組織を修復し、関節の機能を回復させるには、3ヶ月から6ヶ月程度の期間が必要です。当院の症例では、幹細胞投与後2ヶ月でMRI画像上の炎症軽減が確認され、3ヶ月後には痛みが完全に消失したケースもあります。

糖尿病に対する幹細胞治療では、膵臓のβ細胞の再生と保護が目的です。投与後2ヶ月でHbA1cの改善が見られるケースもありますが、安定した血糖コントロールの確立には3ヶ月から半年程度を要することが一般的です。

神経障害では、神経細胞の修復や神経伝達機能の回復に時間がかかります。早い方で数週間から疼痛やしびれの軽減が始まりますが、多くは2〜3ヶ月で感覚や機能の改善が緩やかに進みます。

効果の持続期間・・・5年以上の長期効果も

幹細胞治療の大きな特徴の一つが、効果の持続性です。

根本治療としての幹細胞治療

従来の対症療法、例えばヒアルロン酸注射や痛み止めの薬は、一時的に症状を和らげるものの、原因そのものを解決するわけではありません。そのため、効果は短期間で消失し、繰り返しの治療が必要になります。

一方、幹細胞治療は損傷した組織を根本的に修復する「根本治療」です。組織が再生されれば、その効果は長期にわたって持続します。当院の経験では、うまくいけば5年またはそれ以上効果が持続するケースも珍しくありません。

持続性を高めるための要因

幹細胞治療の効果を長期間維持するには、いくつかの重要な要因があります。

リハビリテーションの継続が最も重要です。幹細胞治療で組織が修復されても、それが以前より強い組織になるわけではありません。日常生活の動作や体の使い方のクセがあると、再びダメージが蓄積してしまう可能性があります。

当院では、治療後のリハビリも重要だと考えており、リハビリを専門に行っている施設と提携して、患者様に合った施設をご紹介しています。幹細胞治療とリハビリを組み合わせることで、相乗効果を生み出すことができます。

生活習慣の改善も効果の持続に大きく影響します。糖尿病の場合は食事管理と適度な運動、関節症の場合は体重管理と正しい姿勢の維持が重要です。

疾患別の効果発現時期と持続期間

幹細胞治療の効果は、対象となる疾患によって発現時期と持続期間が異なります。

変形性膝関節症

効果発現時期は、炎症の軽減による痛みの改善が1〜2ヶ月、軟骨修復による機能改善が3〜6ヶ月です。

持続期間は、適切なリハビリと体重管理を継続することで、効果持続が期待できます。

糖尿病

効果発現時期は、HbA1cの改善が2〜3ヶ月、安定した血糖コントロールの確立が3〜6ヶ月です。

当院で治療を受けられた30代女性の症例では、治療前HbA1c 6.5%が、自己脂肪由来幹細胞2億個の点滴投与後2ヶ月で5.8%まで改善し、その後も安定して正常値を維持されています。薬物治療なしでこの改善は、従来の治療法では考えられない成果です。

持続期間は、食事管理と適度な運動を継続することで、長期的な効果が期待できます。必要に応じて6〜18ヶ月ごとに追加投与を行うことで、効果をさらに延長できます。

神経障害

効果発現時期は、疼痛・しびれの軽減が数週間から、感覚・機能の改善が2〜3ヶ月です。

糖尿病性末梢神経障害、術後・外傷後の末梢神経損傷、坐骨神経痛などで、炎症・虚血・線維化が関与する病態では特に有望な結果が報告されています。

持続期間は、炎症・虚血の改善と微小循環の再構築により再増悪の抑制が期待されますが、血糖・体重・姿勢/負荷などの原因管理が不可欠です。

効果を最大化するための重要ポイント

幹細胞治療の効果を最大限に引き出し、長期間維持するには、いくつかの重要なポイントがあります。

治療後のリハビリテーション

幹細胞治療は「土台づくり」であり、その上に適切なリハビリを積み重ねることで、真の効果が発揮されます。

関節治療の場合、幹細胞が関節内で組織を修復している間に、適切な運動療法を行うことで、新しく生成された組織が機能的に定着します。リハビリを続けることで、関節に戻した細胞に最大限仕事をしてもらい、長期にわたり修復が進んでいきます。

神経障害の場合も、理学療法や神経モビライゼーション、栄養最適化を組み合わせると相乗効果が期待できます。

生活習慣の見直しと管理

幹細胞治療の効果を持続させるには、日常生活や動作の見直しも重要です。

体重管理は、特に関節症の場合に重要です。過度な体重は関節に負担をかけ、せっかく修復された組織に再びダメージを与える可能性があります。

姿勢と動作の改善も欠かせません。体の使い方のクセがあると、特定の部位に負担が集中し、再発のリスクが高まります。

血糖コントロールは、糖尿病治療だけでなく、すべての幹細胞治療において重要です。高血糖状態は細胞の再生能力を低下させるため、適切な血糖管理が効果の持続につながります。

定期的な経過観察

治療後の定期的な経過観察により、効果の発現状況を確認し、必要に応じて追加治療やリハビリプログラムの調整を行います。

当院では、幹細胞投与後6ヶ月間毎月経過観察を行い、症状の改善度を評価しています。必要に応じて、幹細胞培養上清液やエクソソームの追加投与を提案することもあります。

よくあるご質問

幹細胞治療の効果に関して、患者様からよくいただく質問にお答えします。

Q1. 効果が出ない場合もありますか?

個人差はありますが、適切な適応症例を選択し、正しい方法で治療を行えば、多くの方で何らかの効果が得られます。ただし、組織が完全に失われている場合や、進行が非常に進んだ状態では、効果が限定的になることもあります。

Q2. 効果が出るまで何もしなくていいですか?

いいえ、治療後も適切なリハビリや生活習慣の管理を継続することが重要です。幹細胞治療は「土台づくり」であり、その上に適切なケアを積み重ねることで、真の効果が発揮されます。

Q3. 効果が出るのが遅い場合、追加治療は必要ですか?

組織の再生には時間がかかるため、まずは半年から1年程度、じっくり経過を見ることが大切です。その上で、効果が不十分な場合は、追加の幹細胞投与や幹細胞培養上清液の投与を検討します。

Q4. 高齢でも効果は期待できますか?

全身状態が安定していれば高齢者でも実施可能です。加齢で低下した再生力を補う目的で選択されることも増えています。ただし、心・腎機能や抗凝固療法中などは個別評価が必要です。

Q5. 効果の持続期間を延ばすにはどうすればいいですか?

適切なリハビリの継続、生活習慣の改善、定期的な経過観察が重要です。必要に応じて、6〜18ヶ月ごとに幹細胞培養上清液やエクソソームの追加投与を行うことで、効果をさらに延長できます。

まとめ・・・幹細胞治療の効果発現と持続性について

幹細胞治療の効果が現れるタイミングは、症状の原因によって大きく異なります。

炎症が主な原因の場合は、早ければ1ヶ月程度で症状の改善を実感できることがあります。一方、組織の修復が必要な場合は、人体の代謝サイクルに従って3ヶ月から半年、場合によっては1年程度の期間を要します。

幹細胞治療の大きな特徴は、その効果の持続性です。従来の対症療法と異なり、組織を根本的に修復する治療であるため、適切なリハビリと生活習慣の管理を継続することで、5年以上の長期効果が期待できます。

「なかなか効果が出ない」「まだかまだか」と焦りすぎずに、じっくり腰を据えて治療に臨んでいただくことが重要です。組織の再生には時間がかかりますが、その分、長期にわたる効果が期待できる治療法です。

大阪・心斎橋の再生医療クリニック「CELL GRAND CLINIC」は、再生医療等安全性確保法に基づき、厚生労働省へ第二種・三種の再生医療等提供計画を届出し、特定認定再生医療等委員会の審査を経たうえで治療を提供する医療機関です(計画番号:PB5240089ほか/PC5250007ほか)。

当院では幹細胞治療を中心に、PRP・エクソソーム(幹細胞培養上清液)・線維芽細胞・NK細胞治療など幅広い再生医療に対応し、症状・既往歴・生活背景をふまえた個別の治療プランをご提案します。幹細胞再生治療では、投与日に合わせた培養と品質管理(生存率・表面抗原の確認等)を重視し、細胞品質の「見える化」に取り組んでいます。

治療の適応、期待できる効果と限界、リスク、費用はカウンセリングで丁寧にご説明します。詳しくはCELL GRAND CLINIC公式サイトをご覧ください。

※本コラムは一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を代替するものではありません。治療の適応や内容は、診察・検査結果等を踏まえて医師が判断します。

                           

【著者情報】

若林雄一                                    

若林 雄一

                                   

セルグランクリニック 院長/医学博士

                                   

【専門分野】
再生医療 幹細胞治療 坑加齢医療 予防医療 美容エイジングケア

【所属学会・資格】
アメリカ再生医療学会専門医 日本坑加齢医学会専門医 放射線診断専門医  核医学専門医 日本再生医療学会員 日本認知症学会員 他                                        

【略歴】                                        
神戸大学医学部卒業、神戸大学大学院修了(医学博士)。近畿大学医学部での臨床・教育経験を経て、米国国立衛生研究所(NIH)にて研究に従事。 神経疾患領域の研究を背景に、再生医療・抗加齢医療・予防医療を専門とする。 Pfizer社との共同研究による「PDE4Bに特異的なPET薬剤の世界初のヒト使用(First-in-human)」を第一著者として報告するなど、国際誌に多数の業績を有する。 科学的根拠と安全性・品質管理を重視し、患者一人ひとりの「健康寿命」を延ばす医療を目指している。