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COLUMN
2026.02.16
コラム

幹細胞治療・上清液・PRP治療の違いを徹底比較|目的別に最適な再生医療を選ぶ

再生医療の選択肢──幹細胞治療・上清液・PRPの違いとは

近年、再生医療が注目を集めています。

変形性膝関節症や糖尿病、慢性疼痛など、従来の治療では改善が難しかった疾患に対して、新たなアプローチとして期待されているのです。

しかし、再生医療には「幹細胞治療」「幹細胞培養上清液(エクソソーム)」「PRP治療」といった複数の選択肢があり、それぞれ特徴が異なります。

どの治療法が自分に合っているのか、判断に迷う方も少なくありません。

この記事では、3つの再生医療の違いを目的別に整理し、炎症抑制、組織修復、血流改善、神経再生といった観点から、それぞれの治療法がどのように働くのかを解説します。

再生医療を検討している方が、自分の症状や目的に合った治療法を選ぶための判断材料として、ぜひお役立てください。

幹細胞治療とは──細胞そのものが持つ再生力を活用する治療

幹細胞治療は、患者様ご自身の脂肪組織から採取した幹細胞を培養・増殖させ、体内に戻すことで組織の修復や再生を促す治療法です。

幹細胞は「自己複製能」と「多分化能」という2つの特性を持っています。

自己複製能とは、自分と同じ細胞を複製できる能力のこと。多分化能とは、さまざまな組織や細胞に変化できる能力を指します。

これらの能力により、損傷した組織に集まり、その場で必要な細胞へと分化することで、組織の修復や再生が期待できるのです。

幹細胞治療のメカニズム──損傷部位への「ホーミング効果」

幹細胞治療の最大の特徴は、投与された幹細胞が損傷部位へ自動的に集まる「ホーミング効果」です。

体内で炎症や損傷が起きている部分には、特定のシグナル物質が放出されています。幹細胞はそのシグナルを感知し、損傷部位へと移動します。

到着した幹細胞は、成長因子やサイトカインといった物質を分泌し、周囲の細胞に働きかけて組織の修復を促進します。

この作用は「パラクリン効果」と呼ばれ、幹細胞治療の中心的なメカニズムとなっています。

幹細胞治療が適している症状と目的

幹細胞治療は、組織の修復や再生を根本から目指す治療法です。

そのため、以下のような症状や目的に適しています。

  • 変形性膝関節症──軟骨や半月板の損傷が進行している場合
  • 糖尿病──膵臓のβ細胞の再生を促し、インスリン分泌能力の改善を目指す
  • 慢性疼痛──炎症の抑制と組織修復による痛みの根本改善
  • 動脈硬化──血管の再生と血流改善
  • 神経障害──神経細胞の保護と再生

幹細胞治療は、症状が中等度から重度の方、または根本的な改善を目指したい方に特に有効とされています。

幹細胞培養上清液(エクソソーム)とは──幹細胞が分泌する成長因子を活用

幹細胞培養上清液は、幹細胞を培養する過程で分泌される成長因子やサイトカイン、エクソソームなどの有効成分を集めた液体です。

幹細胞そのものは含まれていませんが、幹細胞が持つ「再生を促す力」を凝縮した治療法といえます。

細胞を投与しないため、培養期間が不要で、比較的短期間で治療を開始できる点が特徴です。

幹細胞培養上清液のメカニズム──成長因子とエクソソームの働き

幹細胞培養上清液に含まれる成長因子は、細胞の増殖や分化を促進する働きがあります。

代表的な成長因子には、VEGF(血管内皮増殖因子)、HGF(肝細胞増殖因子)、BDNF(脳由来神経栄養因子)などがあり、それぞれ血管新生、組織修復、神経保護といった役割を担っています。

また、エクソソームは細胞間の情報伝達を担う小さなカプセルのような構造体で、細胞の再生や修復を促すシグナルを運びます。

これらの成分が複合的に作用することで、炎症の抑制や組織の修復が期待できるのです。

幹細胞培養上清液が適している症状と目的

幹細胞培養上清液は、下記症状に適しています。

  • 慢性疲労・慢性痛──全身の炎症を抑え、エネルギー代謝を改善
  • 美肌治療──肌の再生を促し、しわやたるみを改善
  • 脳性疲労・睡眠の質改善──神経保護作用により、脳の疲労回復をサポート
  • ED治療・AGA治療──血流改善と組織再生を促進

幹細胞培養上清液は、症状が軽度から中等度の方、または全身的な体調改善を目指したい方に適しています。

PRP治療とは──血小板が持つ修復力を濃縮して活用

PRP治療(多血小板血漿療法)は、患者様ご自身の血液から血小板を濃縮し、その成長因子を利用して組織の修復を促す治療法です。

血小板は、出血時に止血を行うだけでなく、傷ついた組織を修復する役割も担っています。

PRP治療では、通常の血液中の血小板濃度を約3〜7倍に濃縮することで、修復力を高めた状態で患部に投与します。

PRP治療のメカニズム──血小板が分泌する成長因子の力

血小板には、PDGF(血小板由来成長因子)、TGF-β(トランスフォーミング成長因子β)、VEGF(血管内皮増殖因子)など、複数の成長因子が含まれています。

これらの成長因子は、細胞の増殖を促し、コラーゲンの生成を助け、血管の新生を促進します。

PRP治療では、これらの成長因子を高濃度で患部に届けることで、組織の修復を加速させるのです。

効果は投与後1〜2ヶ月程度で徐々に現れ、長期的な改善が期待できます。

PRP治療が適している症状と目的

PRP治療は、局所的な組織修復や軽度から中等度の症状改善に適しています。

  • 変形性膝関節症──軽度から中等度の関節痛や炎症の改善
  • しわ・たるみ治療──肌のハリや弾力を取り戻す
  • AGA治療──毛髪組織の再生を促進

PRP治療は、自己の血液を使用するため副作用のリスクが低く、比較的短期間で治療を受けられる点が魅力です。

治療の流れと期間──それぞれの特徴を理解する

再生医療の治療の流れと期間は、治療法によって異なります。

ここでは、それぞれの治療の流れを簡潔に解説します。

幹細胞治療の流れ

幹細胞治療は、以下の流れで行われます。

  • 初診・検査──血液検査や画像検査により、現在の状態を評価
  • 脂肪採取──腹部から少量の脂肪を採取(局所麻酔下、約15分)
  • 細胞培養──約6〜7週間かけて幹細胞を培養・増殖
  • 投与──点滴または局所注射により幹細胞を投与(約60分)
  • 経過観察──定期的な検査で効果を確認

治療期間は、脂肪採取から投与まで約6〜7週間です。効果は投与後2〜3ヶ月で徐々に現れ、長期的な改善が期待できます。

幹細胞培養上清液の流れ

幹細胞培養上清液は、細胞を培養する必要がないため、比較的短期間で治療を開始できます。

  • 初診・検査──現在の状態を評価
  • 投与──点滴または局所注射により投与(約30〜60分)
  • 経過観察──定期的な検査で効果を確認

ただ効果は一度の注射だけで現れることは少なく、アンチエイジングを目的とする場合は3~4週間に1回、3回以上の継続的な投与により効果が期待できます。

PRP治療の流れ

PRP治療は、原則当日中に採血から投与まで完了するため、最も短期間で治療を受けられます。

  • 初診・検査──現在の状態を評価
  • 採血──約20mLの血液を採血
  • PRP作製──遠心分離により血小板を濃縮(約15〜30分)
  • 投与──局所注射によりPRPを投与(部位によって異なる場合あり)
  • 経過観察──定期的な検査で効果を確認

治療期間は、初診から投与まで当日中に完了します。効果は投与後1〜2ヶ月で徐々に現れ、長期的な改善が期待できます。

安全性と副作用──自己由来細胞を使用する利点

再生医療の大きな利点は、患者様ご自身の細胞を使用するため、副作用のリスクが極めて低い点です。

ここでは、それぞれの治療法の安全性と副作用について解説します。

幹細胞治療の安全性

幹細胞治療は、患者様ご自身の脂肪から採取した幹細胞を使用するため、拒絶反応のリスクがほとんどありません。

主な副作用としては、脂肪採取部位の軽度の内出血や疼痛が挙げられますが、いずれも一時的で、数日から1週間程度で改善します。

重篤な副作用の報告はほとんどなく、安全性の高い治療法とされています。

幹細胞培養上清液の安全性

幹細胞培養上清液は、細胞そのものは含まれず、成長因子やサイトカインのみを使用するため、さらに安全性が高いとされています。

主な副作用としては、投与後の一過性の微熱や倦怠感が挙げられますが、いずれも軽度で、数日以内に改善します。

PRP治療の安全性

PRP治療は、患者様ご自身の血液を使用するため、アレルギー反応や拒絶反応のリスクが極めて低い治療法です。

主な副作用としては、注射部位の腫れや痛みが挙げられますが、いずれも一時的で、数日以内に改善します。

注射後3〜4日は、細胞の活発な代謝が行われるため、腫れやかゆみ、赤みが出ることがありますが、これは正常な反応です。

費用と保険適用──再生医療は自由診療

再生医療は、現在のところ保険適用外の自由診療となります。

そのため、治療費は全額自己負担となりますが、医療費控除の対象となる場合があります。

幹細胞治療の費用

幹細胞治療の費用は、投与する細胞数や治療部位によって異なりますが、一般的には110万円から400万円程度となります。

細胞の培養には高度な技術と設備が必要なため、費用が高額になる傾向があります。

幹細胞培養上清液の費用

幹細胞培養上清液の費用は、投与量や製剤の種類によって異なりますが、一般的には数万円から数十万円程度となります。

細胞を培養する必要がないため、幹細胞治療に比べると費用は抑えられます。

PRP治療の費用

PRP治療の費用は、治療部位や投与量によって異なりますが、一般的には数万円から十数万円程度となります。

当日中に治療が完了するため、比較的費用を抑えることができます。

よくある質問──再生医療に関する疑問を解消

再生医療を検討する際、多くの方が抱く疑問について、ここで解消します。

Q1. 幹細胞治療とPRP治療、どちらを選ぶべきですか?

症状の重症度と治療目的によって異なります。軽度から中等度の症状であれば、PRP治療が適しています。中等度から重度の症状で、根本的な改善を目指す場合は、幹細胞治療が推奨されます。

Q2. 効果はどのくらい持続しますか?

個人差はありますが、多くの方で1年以上効果が持続しています。必要に応じて追加投与も可能です。

Q3. 治療後の制限はありますか?

治療後の制限は最小限です。脂肪採取後や注射後は、数日間激しい運動を避けることが推奨されますが、日常生活に大きな制限はありません。

Q4. 高齢でも治療を受けられますか?

全身状態が安定していれば、高齢者でも治療を受けることが可能です。加齢によって低下した再生力を補う目的で選択されることも増えています。

まとめ──あなたに最適な再生医療を選ぶために

幹細胞治療、幹細胞培養上清液、PRP治療は、それぞれ異なる特性を持つ再生医療です。

炎症抑制を優先するなら幹細胞培養上清液、組織修復や根本的な改善を目指すなら幹細胞治療が適しています。

症状の重症度、治療目的、費用、治療期間などを総合的に考慮し、ご自身に最適な治療法を選択することが重要です。

再生医療は、従来の治療では改善が難しかった疾患に対して、新たな希望をもたらす可能性を秘めています。

大阪・心斎橋の再生医療クリニック「CELL GRAND CLINIC」は、再生医療等安全性確保法に基づき、厚生労働省へ第二種・三種の再生医療等提供計画を届出し、特定認定再生医療等委員会の審査を経たうえで治療を提供する医療機関です(計画番号:PB5240089ほか/PC5250007ほか)。

当院では幹細胞治療を中心に、PRP・エクソソーム(幹細胞培養上清液)・線維芽細胞・NK細胞治療など幅広い再生医療に対応し、症状・既往歴・生活背景をふまえた個別の治療プランをご提案します。幹細胞再生治療では、投与日に合わせた培養と品質管理(生存率・表面抗原の確認等)を重視し、細胞品質の「見える化」に取り組んでいます。

治療の適応、期待できる効果と限界、リスク、費用はカウンセリングで丁寧にご説明します。詳しくはCELL GRAND CLINIC公式サイトをご覧ください。

※本コラムは一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を代替するものではありません。治療の適応や内容は、診察・検査結果等を踏まえて医師が判断します。

                           

【著者情報】

若林雄一                                    

若林 雄一

                                   

セルグランクリニック 院長/医学博士

                                   

【専門分野】
再生医療 幹細胞治療 坑加齢医療 予防医療 美容エイジングケア

【所属学会・資格】
アメリカ再生医療学会専門医 日本坑加齢医学会専門医 放射線診断専門医  核医学専門医 日本再生医療学会員 日本認知症学会員 他                                        

【略歴】                                        
神戸大学医学部卒業、神戸大学大学院修了(医学博士)。近畿大学医学部での臨床・教育経験を経て、米国国立衛生研究所(NIH)にて研究に従事。 神経疾患領域の研究を背景に、再生医療・抗加齢医療・予防医療を専門とする。 Pfizer社との共同研究による「PDE4Bに特異的なPET薬剤の世界初のヒト使用(First-in-human)」を第一著者として報告するなど、国際誌に多数の業績を有する。 科学的根拠と安全性・品質管理を重視し、患者一人ひとりの「健康寿命」を延ばす医療を目指している。