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COLUMN
2026.01.16
コラム

潰瘍性大腸炎は治らない?難病指定の理由と、最新の「幹細胞治療」という新たな選択肢

「いつまたお腹が痛くなるかわからない」

「トイレの場所を確認しないと外出できない

「一生、この薬を飲み続けなければならないのか」

もしあなたが今、このような不安を抱えているのなら、それはあなただけではありません。潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis:UC)は、近年日本で急増している病気の一つであり、多くの患者さんが「見えない辛さ」と闘っています。

医学は日々進歩しています。かつては「手術しかない」と言われた状態でも、薬でコントロールできるケースが増えました。そして今、従来の薬物療法とは全く異なるアプローチである「幹細胞治療(再生医療)」が、治らないと悩む方々の新たな希望の光として注目されています。

この記事では、潰瘍性大腸炎がなぜ「難病」と呼ばれるのか、既存の治療法にはどのような課題があるのか、そして最新の「幹細胞治療」は何が違うのかについて、専門的な視点から詳しく解説します。

潰瘍性大腸炎は治らない?難病指定の理由と、最新の「幹細胞治療」という新たな選択肢

1. 潰瘍性大腸炎(UC)とは?受診すべき症状の目安

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症が起き、びらん(ただれ)や潰瘍ができる病気です。症状は良くなったり(寛解)、悪くなったり(再燃)を繰り返すのが最大の特徴です。

1-1. 見逃してはいけない初期症状と「血便」

最も注意すべきサインは「血便」です。多くの患者さんが、初期には「痔だろう」と思い込み、受診が遅れるケースが少なくありません。しかし、以下の症状がある場合は、消化器内科の受診を強く推奨します。

  • 持続する下痢:数週間続く、市販薬で止まらない下痢。

  • 粘血便:便にドロっとした粘液や血が混じる。

  • 腹痛:排便前に強い腹痛があり、出すと少し楽になるが、すぐにまた痛くなる(しぶり腹)。

  • 全身症状:微熱が続く、体重が減る、貧血でふらつく。

1-2. 早期発見が重要な理由

この病気は大腸の奥(直腸)から始まり、放置すると炎症が広範囲に拡大し、「全大腸炎型」へと進行するリスクがあります。早期に適切な介入ができれば、日常生活に支障がない状態を長く維持することが可能です。

2. なぜ潰瘍性大腸炎は「難病」なのか?

「難病」と聞くと、「死に至る病」「治らない病気」というイメージを持つかもしれませんが、医学的な定義は少し異なります。

2-1. 原因不明の「免疫異常」

厚生労働省が指定難病に定めている理由は、主に「発症原因が完全には解明されていない」ためです。現時点では、以下の要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。

  1. 遺伝的素因:病気になりやすい体質。

  2. 環境因子:食生活の欧米化、ストレス、腸内細菌叢の乱れ。

  3. 免疫異常:これが直接的な原因です。本来、ウイルスや細菌などの外敵から自分を守るはずの免疫細胞が、誤って自分の大腸粘膜を「敵」とみなして攻撃し続けてしまうのです。

この「暴走した免疫」を根治(完全にゼロにする)する方法がまだ確立されていないため、「完治」ではなく、症状がない状態である「寛解(かんかい)」を維持することが治療のゴールとなります。

2. なぜ潰瘍性大腸炎は「難病」なのか?

「難病」と聞くと、「死に至る病」「治らない病気」というイメージを持つかもしれませんが、医学的な定義は少し異なります。

2-1. 原因不明の「免疫異常」

厚生労働省が指定難病に定めている理由は、主に「発症原因が完全には解明されていない」ためです。現時点では、以下の要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。

遺伝的素因:病気になりやすい体質。

環境因子:食生活の欧米化、ストレス、腸内細菌叢の乱れ。

免疫異常:これが直接的な原因です。本来、ウイルスや細菌などの外敵から自分を守るはずの免疫細胞が、誤って自分の大腸粘膜を「敵」とみなして攻撃し続けてしまうのです。

この「暴走した免疫」を根治(完全にゼロにする)する方法がまだ確立されていないため、「完治」ではなく、症状がない状態である「寛解(かんかい)」を維持することが治療のゴールとなります。

2-2. 似ている病気との違い

診断を確定させるためには、類似疾患との鑑別が重要です。

項目潰瘍性大腸炎 (UC)クローン病 (CD)過敏性腸症候群 (IBS)
炎症の場所大腸のみ口から肛門まで全消化管炎症や潰瘍はない
炎症の深さ粘膜層(浅い)全層(深い)
主な症状粘血便、下痢腹痛、下痢、痔瘻腹痛、下痢または便秘
特徴連続的に広がる飛び飛びに病変ができるストレスで悪化する

他の自己免疫疾患についても詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

3. 潰瘍性大腸炎の標準治療の現状と、患者さんが抱える「治療の悩み」

現在、ガイドラインに基づいて行われている標準治療は、非常に効果的ですが、長期化することで様々な悩みが生じることがあります。

3-1. 基本となる薬物療法

治療は重症度に合わせて段階的に行われます。

  1. 5-ASA製剤(基本薬):炎症を抑える基本的な薬です。軽症〜中等症の多くの患者さんが服用します。
  2. ステロイド(副腎皮質ホルモン):強力に炎症を抑えますが、長期使用は推奨されません。
  3. 免疫調節薬・生物学的製剤・JAK阻害薬:特定の免疫物質(サイトカイン)を狙い撃ちして炎症をブロックします。点滴や注射、飲み薬などがあります。
  4. 血球成分除去療法(CAP):血液をろ過して、炎症を起こしている白血球を取り除く治療です。
3-1. 基本となる薬物療法

治療は重症度に合わせて段階的に行われます。

5-ASA製剤(基本薬):炎症を抑える基本的な薬です。軽症〜中等症の多くの患者さんが服用します。

ステロイド(副腎皮質ホルモン):強力に炎症を抑えますが、長期使用は推奨されません。

免疫調節薬・生物学的製剤・JAK阻害薬:特定の免疫物質(サイトカイン)を狙い撃ちして炎症をブロックします。点滴や注射、飲み薬などがあります。

血球成分除去療法(CAP):血液をろ過して、炎症を起こしている白血球を取り除く治療です。

3-2. 治療を受けていて「困ること」・生活への支障

標準治療を続けている患者さんからは、次のような切実な悩みが聞かれます。

  • ステロイドの副作用への恐怖:「ムーンフェイス(満月様顔貌)」で顔がパンパンに腫れる、ニキビができる、眠れない、骨が弱くなる(骨粗鬆症)といった副作用は、特に女性や若い患者さんにとって大きな精神的苦痛となります。
  • 二次無効(薬が効かなくなる):「最初は効いていた薬が、だんだん効かなくなってきた」。これを二次無効と呼びます。使える薬のカードが減っていくことへの不安は計り知れません。
  • 免疫低下による感染症:免疫を抑える薬を使うため、風邪をひきやすくなったり、帯状疱疹などの感染症リスクが高まったりします。
  • 生活の質の低下(QOL):「いつ再燃するかわからない」という不安から、旅行や食事会を断念したり、キャリアを諦めたりする方もいます。

「炎症は収まっているけれど、なんとなくお腹の調子が悪い」「薬の副作用が辛い」。こうした、標準治療だけではカバーしきれない悩みに対して、新しい選択肢として登場したのが「幹細胞治療」です。

4. 【最新治療】潰瘍性大腸炎に対する幹細胞治療はこれまでの治療と何が違うのか

再生医療の一種である「幹細胞治療」は、これまでの薬物療法とは全く異なるメカニズムで腸に働きかけます。主に「脂肪由来間葉系幹細胞(MSC)」という細胞を点滴で投与する方法が一般的です。

4-1. 「炎症を抑える」から「修復する」へ

既存の薬(抗炎症薬や生物学的製剤)の主な役割は、あくまで「炎症の火消し」です。攻撃を止めることには長けていますが、荒れてしまった土地(腸の粘膜)を元通りにする力は持っていません。

一方で、幹細胞には以下の3つの特殊な能力があります。

  1. ホーミング効果(炎症部位への集積):幹細胞には、SOSが出ている(炎症が起きている)場所を自動的に見つけ出し、そこへ集まる性質があります。
  2. 強力な免疫調整能力(パラクリン効果):炎症部位に到達した幹細胞は、周囲に様々な生理活性物質を放出します。これにより、暴走している免疫細胞(T細胞やマクロファージ)を「鎮静化」させ、炎症を根本から沈めます。
  3. 組織修復・血管新生:これが最大の違いです。幹細胞は、傷ついた腸の粘膜細胞の再生を促したり、血流を改善したりすることで、「組織の修復」をサポートします。

つまり、幹細胞治療は「火を消す」だけでなく、「焼け跡を修復する」働きも期待できるのです。

「炎症を抑える」から「修復する」へ

既存の薬(抗炎症薬や生物学的製剤)の主な役割は、あくまで「炎症の火消し」です。攻撃を止めることには長けていますが、荒れてしまった土地(腸の粘膜)を元通りにする力は持っていません。

一方で、幹細胞には以下の3つの特殊な能力があります。

ホーミング効果(炎症部位への集積):幹細胞には、SOSが出ている(炎症が起きている)場所を自動的に見つけ出し、そこへ集まる性質があります。

強力な免疫調整能力(パラクリン効果):炎症部位に到達した幹細胞は、周囲に様々な生理活性物質を放出します。これにより、暴走している免疫細胞(T細胞やマクロファージ)を「鎮静化」させ、炎症を根本から沈めます。

組織修復・血管新生:これが最大の違いです。幹細胞は、傷ついた腸の粘膜細胞の再生を促したり、血流を改善したりすることで、「組織の修復」をサポートします。

4-2. 幹細胞治療のメリット

  • 副作用のリスクが低い:自分の細胞(自家)や、安全性試験をクリアした他人の細胞(他家)を使用するため、化学薬品のようなアレルギー反応や重篤な副作用が極めて少ないとされています。ステロイドのような外見の変化もありません。
  • 全身投与によるアプローチ:点滴で投与するため、外科手術のような身体的負担がありません。点滴時間は1〜2時間程度で、入院の必要がないケースがほとんどです。
  • 既存薬との併用が可能:現在の主治医による標準治療を続けながら、上乗せ効果(アッドオン)を期待して受けることができます。

4-3. 治療の対象となる方

  • 標準治療(ステロイドや生物学的製剤)を行っても、完全には症状が改善しない方。

  • ステロイドの副作用が辛く、減量または離脱したいと考えている方。

  • 頻繁に再燃を繰り返し、寛解期を長く維持したい方。

  • 手術(大腸全摘)を回避したいと強く願う方。

幹細胞治療について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

4-3. 治療の対象となる方

標準治療(ステロイドや生物学的製剤)を行っても、完全には症状が改善しない方。

ステロイドの副作用が辛く、減量または離脱したいと考えている方。

頻繁に再燃を繰り返し、寛解期を長く維持したい方。

手術(大腸全摘)を回避したいと強く願う方。

5. 潰瘍性大腸炎に対する幹細胞治療の流れと安全性やクリニック選びについて

5-1.幹細胞治療の流れ

幹細胞治療は、以下のステップで進みます。

  1. 診察・カウンセリング:病歴や症状を精査し、再生医療の適応を判断
  2. 幹細胞の採取:腹部から局所麻酔下で脂肪を採取(痛みは麻酔時の注射のみで軽度)
  3. 培養:厳格な品質管理のもと、数週間かけて必要量まで培養
  4. 投与:点滴で体内に再投与(1〜2時間程度、日帰り可能)
  5. 経過観察:定期的な診察で効果を確認

効果は数週間〜数ヶ月かけて徐々に現れます。この期間中は生活習慣を整えることも大切です。

5-2.幹細胞治療の安全性とリスク管理

自己の幹細胞を使用するため、拒絶反応や重篤な副作用のリスクは極めて低いとされています。

  • 細胞採取は局所麻酔で行い、身体的負担は最小限
  • 培養は厚生労働省基準を満たした管理体制で実施
  • 投与後に軽度の倦怠感や発熱が出ることがあるが、数日で軽減
  • 緊急時の対応体制も整備

事前に十分な説明を行うクリニックを選び、納得したうえで治療を受けることが重要です。

5-3.クリニック選びのポイント

  1. 施設の認可と実績:厚生労働省の認可を受けた医療機関であるかや治療実績
  2. 扱う幹細胞の質:治療に使う幹細胞の品質管理が徹底されているか
  3. 費用の明確さ:費用内訳や支払い方法について納得できる説明があるか
  4. フォロー体制:カウンセリングや治療後のサポートが充実しているか

納得できるクリニックを選ぶことが、治療の成功と安心につながります。

大阪・心斎橋の再生医療クリニック「CELL GRAND CLINIC」の特徴

大阪・心斎橋の再生医療クリニック「CELL GRAND CLINIC」は、再生医療等安全性確保法に基づき、厚生労働省と特定認定再生医療等委員会に日本屈指の数の第二種・三種の再生医療等提供計画届出が受理された医療機関です(計画番号:PB5240089ほか/PC5250007ほか)。

当院では、ご自身の脂肪から採取した幹細胞を用いた治療をはじめ、PRP・エクソソーム(幹細胞培養上清液)・線維芽細胞・NK細胞治療など、多彩な再生医療メニューをご用意。お一人おひとりの症状・既往歴・生活背景をふまえ、最適な治療プランをご提案いたします。

■ 当院の幹細胞治療が選ばれる理由

幹細胞は”生き物”。同じ幹細胞治療でも、細胞の品質によって効果は大きく変わります。当院では「Fresh(生存率95%以上)・Pure(純度99%)・Young(第3継代)」という3つの品質基準をクリアした細胞のみを使用。作り置きは一切せず、患者さまの投与日に合わせて1から培養し、1検体ごとに品質基準保証書を発行することで、細胞品質の「見える化」を徹底しています。

カウンセリングでは、治療の適応・期待できる効果と限界・リスク・費用について丁寧にご説明いたします。まずはお気軽にご相談ください。

▶ 詳しくはCELL GRAND CLINIC公式サイトをご覧ください。

大阪・心斎橋の再生医療クリニック「CELL GRAND CLINIC」の特徴

大阪・心斎橋の再生医療クリニック「CELL GRAND CLINIC」は、再生医療等安全性確保法に基づき、厚生労働省と特定認定再生医療等委員会に日本屈指の数の第二種・三種の再生医療等提供計画届出が受理された医療機関です(計画番号:PB5240089ほか/PC5250007ほか)。

当院では、ご自身の脂肪から採取した幹細胞を用いた治療をはじめ、PRP・エクソソーム(幹細胞培養上清液)・線維芽細胞・NK細胞治療など、多彩な再生医療メニューをご用意。お一人おひとりの症状・既往歴・生活背景をふまえ、最適な治療プランをご提案いたします。

■ 当院の幹細胞治療が選ばれる理由

幹細胞は”生き物”。同じ幹細胞治療でも、細胞の品質によって効果は大きく変わります。当院では「Fresh(生存率95%以上)・Pure(純度99%)・Young(第3継代)」という3つの品質基準をクリアした細胞のみを使用。作り置きは一切せず、患者さまの投与日に合わせて1から培養し、1検体ごとに品質基準保証書を発行することで、細胞品質の「見える化」を徹底しています。

カウンセリングでは、治療の適応・期待できる効果と限界・リスク・費用について丁寧にご説明いたします。まずはお気軽にご相談ください。

6. まとめ:諦めないで自分に合った治療法の選択を

潰瘍性大腸炎は、確かに「難病」です。しかし、それは「希望がない」という意味ではありません。

5-ASA製剤の登場、生物学的製剤の進化、そして再生医療という新たな選択肢。医療技術は着実に、そして急速に進歩しています。「薬を飲んでも良くならない」「副作用が怖い」と一人で悩み、痛みに耐えるだけの時間はもう終わりにしましょう。

もし現在の治療に行き詰まりを感じているなら、組織修復という新しいアプローチを持つ「幹細胞治療」について、一度専門の医療機関に相談してみてはいかがでしょうか。あなたの腸が持つ「治ろうとする力」を、細胞レベルで引き出すきっかけになるかもしれません。

7.潰瘍性大腸炎と幹細胞治療に関するQ&A


潰瘍性大腸炎の基本について

Q. 潰瘍性大腸炎とはどんな病気ですか?

A. 潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症が起き、びらん(ただれ)や潰瘍ができる病気です。症状が良くなる「寛解」と悪くなる「再燃」を繰り返すのが特徴で、主な症状として血便・下痢・腹痛などがあります。


Q. 潰瘍性大腸炎の初期症状は何ですか?

A. 最も注意すべき初期症状は「血便」です。その他、数週間続く下痢、便に粘液や血が混じる、排便前後の腹痛、微熱・体重減少・貧血などの全身症状がある場合は、早めに消化器内科を受診してください。


Q. 潰瘍性大腸炎とクローン病の違いは何ですか?

A. 潰瘍性大腸炎は大腸のみに炎症が起こり、粘膜の浅い層が連続的に侵されます。一方、クローン病は口から肛門まで全消化管に炎症が起こる可能性があり、腸壁の深い層まで侵され、飛び飛びに病変ができるのが特徴です。


難病指定・原因について

Q. 潰瘍性大腸炎はなぜ難病に指定されているのですか?

A. 発症原因が完全には解明されておらず、根治(完全に治すこと)が難しいためです。遺伝的素因・環境因子・免疫異常が複雑に絡み合って発症すると考えられていますが、暴走した免疫を完全に正常化する方法はまだ確立されていません。


Q. 潰瘍性大腸炎は完治しますか?

A. 現時点では「完治」ではなく、症状がない状態である「寛解」を維持することが治療目標です。ただし、適切な治療により長期間寛解を維持し、日常生活に支障がない状態を保つことは十分可能です。


標準治療について

Q. 潰瘍性大腸炎の標準治療にはどのようなものがありますか?

A. 重症度に応じて段階的に治療が行われます。基本薬の5-ASA製剤、炎症を強力に抑えるステロイド、免疫調節薬・生物学的製剤・JAK阻害薬、血液をろ過して炎症を起こす白血球を取り除く血球成分除去療法(CAP)などがあります。


Q. ステロイド治療の副作用が心配です。どのような副作用がありますか?

A. ムーンフェイス(顔の腫れ)、ニキビ、不眠、骨粗鬆症などの副作用が報告されています。ステロイドは長期使用が推奨されないため、症状が落ち着いたら減量・離脱を目指すのが一般的です。


Q. 薬が効かなくなることはありますか?

A. はい、「二次無効」といって、最初は効いていた薬が徐々に効かなくなることがあります。その場合は他の薬への切り替えや、幹細胞治療などの新しい選択肢を検討することになります。


幹細胞治療について

Q. 潰瘍性大腸炎に対する幹細胞治療とは何ですか?

A. 主に脂肪由来の間葉系幹細胞(MSC)を点滴で投与する再生医療です。従来の薬物療法が「炎症を抑える」ことを目的とするのに対し、幹細胞治療は免疫を調整し、傷ついた腸粘膜の「修復」を促す働きが期待されます。


Q. 幹細胞治療は従来の薬物療法と何が違うのですか?

A. 従来の薬は「炎症の火消し」が主な役割ですが、幹細胞には3つの特殊な能力があります。①炎症部位に自動的に集まる「ホーミング効果」、②暴走した免疫細胞を鎮静化する「免疫調整能力」、③傷ついた粘膜の再生を促す「組織修復作用」です。


Q. 幹細胞治療はどのような人が対象になりますか?

A. 標準治療で症状が完全に改善しない方、ステロイドの副作用が辛く減量・離脱を希望する方、頻繁に再燃を繰り返す方、大腸全摘手術を回避したい方などが対象となります。


Q. 幹細胞治療は今の治療と併用できますか?

A. はい、現在の主治医による標準治療を続けながら、上乗せ効果(アドオン)を期待して受けることができます。


治療の流れ・安全性・費用について

Q. 幹細胞治療の流れを教えてください。

A. ①診察・カウンセリング → ②脂肪組織から幹細胞を採取(局所麻酔、痛みは軽度) → ③数週間かけて培養 → ④点滴で投与(1〜2時間程度、日帰り可能) → ⑤定期的な経過観察、という流れで進みます。


Q. 幹細胞治療に副作用はありますか?

A. 自己の幹細胞を使用するため、拒絶反応や重篤な副作用のリスクは極めて低いとされています。投与後に軽度の倦怠感や発熱が出ることがありますが、通常は数日で軽減します。ステロイドのような外見の変化もありません。


Q. 幹細胞治療の効果はいつ頃現れますか?

A. 効果は数週間〜数ヶ月かけて徐々に現れます。即効性のある治療ではなく、細胞が働きかけることで時間をかけて改善していくのが特徴です。


Q. 幹細胞治療は保険適用ですか?費用はどのくらいですか?

A. 現状では自由診療となり、保険適用外です。費用は医療機関や治療内容によって異なりますので、事前に費用内訳や支払い方法について確認することをおすすめします。


クリニック選びについて

Q. 幹細胞治療を受けるクリニックはどう選べばよいですか?

A. ①厚生労働省の認可を受けた医療機関であるか、②幹細胞の品質管理が徹底されているか、③費用について明確な説明があるか、④カウンセリングや治療後のフォロー体制が充実しているか、の4点を確認することが重要です。


Q. 幹細胞の「品質」とは何ですか?なぜ重要なのですか?

A. 幹細胞は生きた細胞であり、生存率・純度・継代数(培養回数)によって効果が大きく変わります。高品質な幹細胞(生存率95%以上、純度99%など)を使用しているクリニックを選ぶことで、より高い治療効果が期待できます。

参考文献

  1. Matsuoka K, Kobayashi T, Ueno F, et al. Evidence-based clinical practice guidelines for inflammatory bowel disease. J Gastroenterol. 2018;53(3):305-353.

  2. 厚生労働省. 指定難病 潰瘍性大腸炎(指定難病97). 難病情報センター. Available from: https://www.nanbyou.or.jp/entry/62 [Accessed 2026-01-13].

  3. Ciccocioppo R, et al. Mesenchymal stromal cell infusions as rescue therapy for corticosteroid-refractory adult ulcerative colitis. Gastroenterology. 2011;140(7):1901-10.

  4. Forbes GM, et al. A phase 2 study of allogeneic mesenchymal stromal cells for luminal Crohn’s disease refractory to biologic therapy. Clin Gastroenterol Hepatol. 2014;12(1):64-71.

  5. 日本消化器病学会. 潰瘍性大腸炎・クローン病診断基準・治療指針. 2023.


                           

【著者情報】

若林雄一                                    

若林 雄一

                                   

セルグランクリニック 院長/医学博士

                                   

【専門分野】
再生医療 幹細胞治療 坑加齢医療 予防医療 美容エイジングケア

【所属学会・資格】
アメリカ再生医療学会専門医 日本坑加齢医学会専門医 放射線診断専門医  核医学専門医 日本再生医療学会員 日本認知症学会員 他                                        

【略歴】                                        
神戸大学医学部卒業、神戸大学大学院修了(医学博士)。近畿大学医学部での臨床・教育経験を経て、米国国立衛生研究所(NIH)にて研究に従事。 神経疾患領域の研究を背景に、再生医療・抗加齢医療・予防医療を専門とする。 Pfizer社との共同研究による「PDE4Bに特異的なPET薬剤の世界初のヒト使用(First-in-human)」を第一著者として報告するなど、国際誌に多数の業績を有する。 科学的根拠と安全性・品質管理を重視し、患者一人ひとりの「健康寿命」を延ばす医療を目指している。